以前からこの手のWindows タブレット には興味があり定期的に中古市場を覗いていたのですが、イオシス からQ506/ME に続く1万円のアローズタブが出たとのことで思わず衝動買してしまいました。過去にQ506/MEを使っていた時期もあったのですが、高画質な液晶や頑丈な筐体など魅力的な部分はあったものの、如何せんCPUにAtom を搭載していて動作はお世辞にも良いとは言えませんでした。
今回のQ704/Hはどこまで使えるのか?Q506/ME との比較も交えつつレビューしていきます。
この機種の概要
富士通 から企業・文教向けとして発売されたWindows タブレット 。12.5型のWacom デジタイザ搭載大型ディスプレイを搭載し、解像度は1920x1080と高画質です。CPUには第4世代のCorei3の低電力版、ストレージにはサムスン 製SSD を採用しパフォーマンスとバッテリー持ちを両立しています。
スペック表
この機種の特徴
この機種の特徴としては据え置き型のクレードル やキーボードに各種端子がついたドッキングステーションなど、周辺機器が豊富な点でしょう。今回イオシス で販売されたものにはなんとクレードル が付属しているので、この機種の性能をフルで発揮することができます。
また、このタブレット は防水対応です。使おうを思えばお風呂でも使うことができます。正直このクラスのタブレット を水場で使うのは気が引ける感じですが。
本体の外観
Q704/H本体
本体は一般的なWindows タブレット といった見た目で、画面の下にはいつものWindows ボタンが配置されています。
裏面には富士通 のマークがデザインされています。色合いや質感はQ506/ME と似ている感じです。
側面には防水対応のキャップが付いた端子類が備わっています。本体正面からみて右側にはUSB端子やMicroSD カードスロット、デジタイザペンの収納口があり、左側には電源端子や排気口、電源ボタンなどの各種ボタンが配置されています。
特徴でも書いたとおり今回販売されたモデルにはクレードル が付属しています。1万円でクレードル まで付属するとは驚きです。
クレードル 正面にはイジェクトボタンがあり、端子類は背面にまとまっています。
右から電源端子、排気口、有線LAN端子、HDMI 、VGA (D-sub15ピン)、USB3.0 *4となっています。
ソフトウェアなど
OSはWindows 8.1 Proの64bitを搭載。富士通 のユーティリティソフトは一通り入っていて、ストレージのSSD にはリカバリ 領域も用意されています。
Windows10にアップグレードすることも可能ですが、その場合は一部使えなくなるソフトがあるので注意が必要です。
個人的に気に入った点
頑丈な筐体
企業や学校で使われることを想定されているので耐久性は高いです。Q506/ME の筐体までとはいかないものの、しっかりとした作りで多少乱暴に扱っても大丈夫な感じです。
大型のディスプレイ
手に持った第一印象は大きいでした。しかし、Windows のOSをフルに使うには10インチのサイズではなくこのくらいの大きいサイズのほうが使いやすいです。また、高解像度でかつIPS液晶ということもあって発色も豊かでとても綺麗です。ただ光の当たり方によってはデジタイザのセンサーが気になることがありますが。
比較的低価格帯のWindows タブレット にはeMMCが搭載されていることがほとんで、容量も少なく速度もHDD程度なのですが、この機種には128GBのSSD が搭載されているので軽い作業で使うには十分な容量が確保されており速度も高速です。この点については同時期に発売されたSurface Pro 2などと方を並べる部分ではないでしょうか。
基本的にはタブレット なので単体で使うものなのですが、冷却性能やバッテリーの問題からCPUの性能は抑えられてしまいます。そこで、クレードル に接続することでクレードル から電源供給しつつ搭載されたファンによって冷却性能を補うことによってCPUをフルパワーで使うことができます。
クレードル には映像の外部出力端子もついているので、外部のディスプレイを繋いで置くことで簡易的にデスクトップPCとして使うこともできます。普段はタブレット として運用して、クレードル につないでデスクトップPC風に使うといった2in1の使い方もできるのではないでしょうか。単なる充電台として使うことも便利ではありますが。
個人的に気になった点
熱問題
一応タブレット 本体にも冷却用のファンが搭載されているのですが、冷却が追いつかないのかChrome でネットブラウジング をするだけで背面が熱々になります。クレードル 接続時はクレードル 搭載のファンで冷却することができるのでそこまで熱は気にならないのですが、とてつもなくファンの音がうるさいです。
いくら低電力版のi3でもタブレット となると熱問題はネックになってくるのでしょうか。
タブレット についている入出力端子はUSB3.0 が1つ、microUSBが一つでmicroSD カードスロットが一つという構成になっているのですが、USBのAタイプが1つというのは少ないです。せめてQ506/ME のように2つ搭載してくれればよかったと思います。
実際使ってみた感想
外出時用のマシンとしてこの機種を購入してみたのですが、実際は外出時に持ち出しせず(そもそも外出機会が少ない)、主に室内での使用になります。
まずはVODサービスを利用して動画視聴に使ってみました。Amazonプライム ビデオやNetfilxはもたつき なく再生することができました。やはり高解像度の大型ディスプレイは動画視聴に最適です。
次にオンラインofficeを使ってみたのですがこちらも問題なし。ブログなどの文字打ち作業も快適にできました。
興味本位でSteamのリモートプレイを利用してメインPCからゲームをストリーミングしてみたのですが、このレベルのタブレット であればリモートなら快適に動きます(Q506/ME では少々の遅延やもたつき が発生していました)。無線での回線速度も問題ありませんでしたので遅延も感じませんでした。Windows なのでマウスやキーボードに加えゲームパッド も使うことができるので、例えば、家の中でメインのPCがある部屋とは違う部屋でゲームをしたいというときでも場所を選ばずにできると思います。
現在は音楽管理用のタブレット にしています。SDカードを挿してそこに音楽を入れるという形での運用です。iTunes やMusic Center for PCなどの音楽管理ソフトは多少のもたつき はあるものの特に問題なく使用することができています。
参考までに
クレードル 接続時のCINEBENCH R20のスコアは270でした。同クラスで比べる対象が手元にないので詳しくはわかりませんが、とある方がQ506/ME のAtom x5-z8500で測定されていた値が237でした。体感差は数値以上ですが、ベンチマーク の結果を見る限りではそこまで大きな性能差はないということになります。
まとめ
1万円で手に入るWindows タブレット としては、動作やクレードル などの多機能さで最高レベルであると思いました。同じ1万円でもQ506/MEと比べると圧倒的なコストパフォーマンスを発揮しています。
現在イオシス ではアローズタブシリーズはほとんど売り切れてしまっているようですが、もし今後大売り出しをするようなことがあれば検討してみてもいいかもしれません。